卓球台”infinity”は美しい!

Infinity(写真は三英HPより)

あっと言う間にRIOオリンピックが終わってしまった。 久々に、やらなきゃいけない仕事も放ったらかしにしてオリンピックに熱中して見てしまった様な気がする。

特に卓球は、ちょっと暗く地味なスポーツのイメージがあり、今までじっくりと見た事はなかったが、このRIOオリンピックでそのイメージは大きく変化した。

その一つが、日本のメーカー三英(千葉県流山市)が開発した卓球台「Infinity」だ。ウォークマンのデザインなども手がけたソニー出身のプロダクトデザイナー・澄川伸一氏がデザインし、木製の脚部には東日本大震災で被災した岩手県宮古市産の木材を採用して高級家具メーカーの天童木工(山形県天童市)が制作したと言う。

TVをつけると、天板のレジュブルーと言うあざやかな色と、Xの美しい曲線の脚部デザインが目に飛び込んでくる。

それを舞台にして、ダイナミックでエキサイティングな試合が展開される。

卓球台が日本製だと知り、かつその開発プロセス、コンセプトを知って、さらに興味を持って見て、卓球の面白さを知ってしまった。「ピンポン」では無い、スポーツとしての卓球だ。

今回の卓球台の足が真っ直ぐな4本の脚で、天板の色がただの緑だったら、もしかしたら僕は最初からじっくりと卓球を見ていなかったかもしれない。大袈裟かもしれないが、、、

美しいデザインは人を引きつける力があり、それにストーリーがあると、さらにその力は増す事を再認識した。

おそらく、僕以外にも日本製の卓球台「Infinity」の美しさを楽しみながら、新しい卓球のイメージを築いた人もいたに違いない。

 


La.Nai collection official site

ジュエリーは小宇宙

宇宙

ジュエリーのオーダーの話をしている中で、「ジュエリーは小さな宇宙の様、、、」と例えてくれた方がいた。すこぶる良い表現だと感心し、今後、頻繁にこの表現を使って行こうと思う。

1~2cm四方の限られた中に、数十億年前に誕生した地球が宇宙空間で劇的な変化をしながら長い年月をかけて生成されて来た鉱物、プラチナ、ゴールド、シルバー、そしてダイヤモンドなどの宝石類をどの様に組み合わせて配置し、美しいデザイン、好きなデザインにしていくかを考えていると、小さな世界にも拘らず、宇宙感覚が生まれるのは確かだ。

宇宙の始まりであるビッグバンの後、初めて宇宙空間に現れた鉱物はダイヤモンドやグラファイトだといわれているので、さらにダイヤモンドを使うとなると最高に神秘的な世界が創造できますね。しかも、この「小さな宇宙」はいつでも身に付けて持ち歩けると言うのは最高です。

自分だけの宇宙を作って見たくなりませんか???


La.Nai collection official site

ナウパカの伝説

ナウパカナウパカの花ナウパカリング ナウパカクロスP

ハワイのビーチを歩いていると、必ず目にする美しいグリーンの肉厚の葉を持つ低木樹ナウパカは、ハワイでは1年を通じて白い花が咲き、その花には幾つもの伝説があると言うことを最近知った。

ナウパカは、大きく分けて、良く見かけるビーチナウパカと山に咲くマウンテンナウパカが存在し、海と山に分かれている事と、花の部分が1つの花を半分(花弁は5枚)にした様な扇状に咲く不思議な形状から「別れ」「離れ」に関する悲恋伝説が幾つか紹介されている。

何れにしても、ナウパカと言えば、中心となる話題は「花」なのだが、僕はビーチでこれでもか!といって力強く広がっているナウパカのライトグリーンの肉厚な葉っぱの形状が大好きだ。ハワイのビーチ近くで写真を撮ると、いつの間にかフレームの中にナウパカの葉っぱが入って、構図の一部になっている。

写真はナウパカの葉をモチーフにしてデザインしたリングとペンダント。でも、ハワイで伝わる伝説を知った以上、ナウパカの「花」をモチーフにしたデザインも考えないと。。。ね。

<伝説の一つを紹介>

火の神ペレがあるとき青年に恋をするが、この青年にはちゃんと彼女がいた(この彼女がペレの妹という話もある)。それを知ったペレは嫉妬し、怒り狂った。ペレの怒りを避けるために、青年は海へ、恋人の女性は山に逃げ二人は遠く引き裂かれることになってしまった。

やがて二人が逃げた海と山のそれぞれに小さな白い花が咲いた。青年が逃げた海に咲いた花はビーチ・ナウパカ、恋人の彼女が逃げた山に咲いた花はマウンテン・ナウパカとよばれる。それぞれの花はペレによって引き裂かれたように、今でも半分の花を咲かすことしかできず、この二つのナウパカの花を合わせると、二人の魂に導かれ、恋人達はきっと結ばれると言われている。

( 参考:プラスハワイのHPより 抜粋)

 

 

 


La.Nai collection official site

旅人の木

IMG_1453 IMG_1454 旅人の木1 旅人の木

ハワイを歩いていると、よく見かけるバナナの木に似た扇状に青い空に勢いよく広がって行く「旅人の木」って知ってますか?この木に気付くと、立ち止まって写真を撮ってしまいます。

茎に雨水を溜めるため非常用飲料水として利用できるとのことで、この名前が付いているとのことですが、僕は茎のどの部分に、どの様に水が溜まっているのかは、毎回確認しようと思いながらまだ確認出来ていません。そう思うと、気になって早くハワイに行って確かめたくなりますね。簡単には行けませんが、、、次回の目的が1つ増えました。

この木は、小さいものから2階を越えるほどの高さの木まで見つけることができますが、どの木も左右対称に平面を成すように規則正しく綺麗な緑色の葉茎が力強く左右順番に伸びており、その先に船の櫂の様な大きな葉が、ゆらゆらと揺れています。

この木を見ると、デコレーションの為に作られたのではないかと思うほど綺麗な形状と質感をしており、ついついカメラのシャッターを切ってしまいます。そして、この美しい形の「タビビトノキ」は、僕のデザインモチーフの一つとして頭の中に刻み込まれています。

 


La.Nai collection official site

これは模倣?

サイズ変更1< 3D-CADでの形状確認サイズ変更2

↑ クロムハーツオリジナル❪左❫と3Dプリンターで造形した原型

サイズ変更3

↑ キャスト後の磨く前のリング

サイズ変更4< 完成

 

前回のブログで、東京オリンピック・パラリンピックのロゴデザインについて書きましたが、今回はクロムハーツ フローラル クロスリングのカスタムバージョンの模倣の話題です。

大学時代のクロムハーツが好きな友人から、どうしてもと頼まれてクロムハーツのカスタムバージョンを作製してみました。簡単なのは、オリジナルのリングのゴム型を取る方法だけれども、完全にブランド品のコピーに当たるので、3D・CADでデータ作製し、3Dプリンターで造形する方法。今まで、多く3D・CADで自分でデザインしてきたが、複雑な形状を忠実にコピーしてデータを作るのは難しい事を再認識。

製作する機器は最新鋭だけれど、結局オリジナルをノギスで幾つものポイントを測定する、測定出来ない部分は一度3D・CADで形状を確認し、見たフィーリングで修正していくしかない。すごく原始的な方法ですね。今回は、石を入れる要望があったので、石を留める穴と爪を設置。ここは、CADの得意とするパートです。

最終的に写真のクロムハーツのカスタムバージョンの似て非なるが完成。かなり時間をかけて、原始的な測定と目での形状チェックし、データ化しましたが、リング円周方向のフローラルが若干痩せた形状になってしまいました。チョット見た目ではわかりませんが、、、。

(当該作品は趣味の範囲で作製しています。)

 


La.Nai collection official site

東京オリンピック・パラリンピックのロゴは模倣?

tokyo_2020_logo_00 20150729074323

今、話題になっている模倣したのではないか?とされている東京オリンピックパラリンピックのロゴの件でコメントです。

確かに、指摘されれば部分的に形は極似している。でも、見たときのインプレッション、イメージは全く別のものだと思う。そう思いませんか?

2次元の平面上で、丸、四角、楕円、直線等でシンプルな新しいロゴをデザインしようとしたら、世界中の誰かがデザインしたものと何処か一致した部分が出来てしまう事は避けられない。また、もともとデザイナーは常に世の中の数多くのデザインに興味を持って触れているはずで、無意識のうちに自分の嗜好のデザインは脳の何処かにメモリーされていく。僕もジュエリーのデザインをしている立場で言うと、全くオリジナルデザインだと確信していても、何かのきっかけで似たデザインを見つけて、至極ガッカリすることがある。

元々、自然界にあるモノをモチーフにすると、似てしまうのは仕方がない。真似(copy)でなければ良い。でも、残念ながら第三者には、真似たのか、結果的に似てしまったのかは判断出来ない。

基本的にデザイナーは、人の真似は絶対に避ける資質を持っている筈なので、今回の東京オリンピック・パラリンピックのロゴも、結果的に似てしまったものと僕は思うし、そうあって欲しい。

問題は、事前のデザイン調査、意匠登録の状況調査をもっと念入りにできなかったのか?、、、と言うところか。結果は、どうなるのだろう。

 


La.Nai collection official site